えせ同和行為等根絶大阪連絡会議」 設立趣意書
えせ同和行為等根絶大阪連絡会議」 設立趣意書
初夏の候、皆様におかれましては、益々ご清祥のことと存じます。
また、日頃より、同和問題の解決、人権の確立のためご尽力をいただいておりますことに厚く感謝申し上げます。
さて、同和問題の解決のため、1969年に制定された同和対策事業特別措置法が失効し、地域改善対策特別措置法(1982年4月〜)の施行に伴い、設置されました地域改善対策協議会からの意見具申によって、「えせ同和行為」の排除が打ち出されました。意見具申には、「行政等に不当な圧力をかけるなど目に余る事態が発生し、えせ同和団体の横行を現状のままで放置することはできない」と強調しています。
さらに、1987年には政府として一体的に「えせ同和行為」の排除を推進するため、総務庁に「えせ同和行為対策中央連絡協議会」が設置され、大阪においても府県単位の組織として「えせ同和行為対策関係機関連絡会」が設置され、えせ同和行為の排除の取り組みが進められてきました。
特に、行政機関、人権啓発団体においては、企業などに向けて、さまざまな研修・啓発の取り組みが取り組まれ、大阪企業人権協議会や大阪市企業人権推進協議会においても、企業(会員)支援のひとつとして「えせ同和相談事業」が実施されてきました。
「えせ同和行為」の排除に向け、相談、研修、啓発などのさまざまな取り組みが展開されてきましたが、この間、企業に対し、5万円を超える代金の本を送りつけ、断りの連絡を入れると、企業に対する脅迫を行なうなど、「えせ同和行為」があとを絶ちません。
2003年の法務省の調査によっても、調査された事業所の23.6%の事業所がえせ同和行為による何らかの要求を受けたと回答し、厳しい実態が今なお存在することが明らかとなっています。
特に、昨年の5月に発生した「飛鳥会事件」、8月に発生した安中の事件は「えせ同和行為」の排除に向けて尽力されてきた方はもとより、多くの府民に衝撃を与えました。
部落解放同盟大阪府連合会の支部役員が業務上横領や恐喝に問われ、逮捕されたものです。
部落解放同盟大阪府連合会においては、ただちに両名に対して除名処分が行われるとともに、真相究明が進められ、このような事件を2度と起こさないよう、えせ同和行為の根絶に着手することが内外に明らかにされました。
えせ同和行為の排除に向け、この間、関係機関との協議が進められ、部落解放運動団体の内外を問わず、従来にもまして毅然たる対応を進めるとともに、総合力を発揮した対応や根絶に向けた総合的な取り組みを推進する、「えせ同和行為等根絶大阪連絡会議」の結成に向けた準備が進められてきました。
このような経過のもと、「連絡会議」の具体的な内容についての検討が進められ、このたび、「連絡会議」の結成の運びとなりました。
えせ同和行為等をなくすためには、部落問題をはじめあらゆる人権課題への理解を深め、それらの解決に真摯に取り組むことが基本であり、不当な「えせ同和行為等」を排除することを通じて、同和問題の解決、人権が確立された社会の実現に寄与することを目的に「えせ同和行為等根絶連絡会議」を結成するものであります。
「連絡会議」は、その活動の柱として、えせ同和行為等に関し、@相談活動の実施と集約、A情報収集、B根絶のための情報提供と啓発活動の実施、D根絶のための研修・啓発活動に対する相談と支援などに取り組みます。
えせ同和行為の根絶は、連絡会議の中だけの取り組みでは目的を達成することはできません。在阪の行政、企業、市民の理解や参画のもとに、大阪府内を網の目のように網羅した取り組みの推進のもとで、根絶が進められるものと確信しています。
私たちは、えせ同和行為を根絶するため、人権確立社会の実現という崇高な目標に向かって、行政、企業、府民等にねばり強く働きかけを進め、新しい府民的一大潮流の運動を構築し、展開していくものです。
えせ同和行為等根絶大阪連絡会議準備会
代 表 野 村 明 雄
(大阪商工会議所会頭)
同大阪連絡会議準備会構成団体
大阪府
大阪市
(財)大阪府人権協会
(社)大阪市人権協会
大阪同和・人権問題企業連絡会
大阪企業人権協議会
大阪市企業人権推進協議会
部落解放大阪府企業連合会
部落解放同盟大阪府連合会 |