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企業が起こした代表的な差別事象について、教えてください |
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1975(昭和50)年、全国の同和地区の地名、所在地、世帯数、職業などが記載された差別図書を、企業を中心に病院や学校などが購入していた「部落地名総鑑事件」が発覚しました。これは、採用にあたって被差別部落出身者を調べるために使われ、採用する側に身元調査を行いたいという潜在的な意識が根強くあることが明らかになり、大きな社会問題となりました。
この事件は、国会でも取り上げられるとともに、総務省長官や労働大臣が遺憾と決意の談話を発表し、また、12省庁事務次官連盟の要請文が経団連等経済6団体に送付され、企業の部落問題解決のための社会的遂行を求めました。
また、1998(平成10)年7月には、企業から採用調査の依頼を受けた大阪府内の調査業者2社が、差別調査を行っていたことが発覚しました。
大阪府が調査を実施したところ、一部の企業は「家族の状況」「思想・信条」「宗教」など就職差別につながる調査を依頼していたこと、企業が依頼をしていない「家族の状況」「思想・信条」「宗教」など問題のある事項が調査され、企業に報告されていたこと、問題のある報告を受領した企業の多くが、そのことに問題意識を持っていなかったこと、応募者の履歴書のコピーが安易に調査業者に渡されていたことなども明らかになり、大阪府個人情報保護条例で定める、個人情報の適正管理の趣旨が十分尊重されていなかったことが判明しました。
本事件に対し、国では公正な採用選考に係る労働大臣要請を107の経済団体・業種別団体に対して行いました。
大阪府でも、大阪府知事要請を在阪193の経済団体・業種別団体に行うとともに、公正な採用選考を徹底し、採用調査に人権尊重の視点の導入と透明性を確保するための方策を検討するため、調査業協会、経済界、労働界、学識経験者などの参画を得て「公正採用・調査システム検討会議」を設置しました。同会議では、2001(平成13)年3月に「公正採用・調査システムの確立に向けての提言」をまとめ、公表しています。 |
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